語録の価値は読み手によって決まる、ということ

それを踏まえてもなお、語録は内容で売るのが難しい。なぜなら、語録の本当の内容は、語録の中にではなくあなたの中にこそあるからだ。語録というのは、いわばあなたの心という金庫の鍵束。にも関わらず、赤の他人が作った鍵でそれが開くことがあるのだから、不思議といえば不思議でもある。裏を返せば、それであなたの心が開かなかったとしても当然でもある、ということだ。

書評というか、「語録本」一般について書かれたエントリのこの部分を読んでちょっとハッとした。
極端な話、語録に入るほど立派な言葉でなくても、そう、例えば「おまえがいないとだめだ」という言葉を見たとき、人の受け取り方はかなり違うだろう。
感動する人、愛を感じる人、なんか会社に依存されちゃっていやーん、なんて思う人とか。

語録本に限らず、そもそも自己啓発とか、メッセージ本とか、自分が面白いと思って他人に勧めてもまったく感動がシェアできなかったりするのは、つまりこういうことなんだろう。

語録本に限らず、心という金庫の鍵を解除できるかもしれない"何か"を常に探して歩いているのかもしれない。