学生症候群とXP
エリヤフ・ゴールドラット氏の著書に出てくる「学生症候群」とはなかなか言い得て妙な、「期日が切ってあると結局ギリギリになるまで着手しない」というプロジェクト上の"やる気null"事件についての説明である。
氏の著書、クリティカル・チェーン(asin:4478420459)によると、「人間だから仕方がない」ということで、これについての対策を以下のように提案している(…というか提案している登場人物が出てくる)。
- 個々人の個々のタスクに期日を設定しない
さらに、これを補完する考え方として、こんなのもある。
- セーフティーを盛り込んでタスクの期間を見積もらない
- そのために、「多分このへん」という見積もりを許容する風土を作る
- 遅れを責めない
ふむふむ、ということなんだけど、これってXPにおけるチーム運営とかプラクティスのいくつかがこれを実現してますよね。
だからなんだ、と言われると特に主張はないのですが、別の人が別の体系で説明・提案・実現されている、というのは関連するパラダイムの説明や効果を強調する結果になるように思うので心に止めておこうかと。
ちなみに、計画ゲームと振り返りについては
- 計画した責任を個人で取らない。責めない。みんなで議論する。その結果セーフティーは省かれる。
- 継続して実践し、風土を変えるためにイテレーションというサイクルごとに振り返りを実施する。
- タスクの期日や順序を設定せずにマイルストンを設定する。
という意識を共有して開発を進めてもらっているのでウマいこといってる気がします。
人間だから「責められたくない」という気持ちはあるし、「気持ちが良い/悪い」で変化することはたくさんあるし...。だから「成功」を共有できればやる気もチームワークも向上するんで、「振り返り」はかなり大事なファクターだと思います。